日経新聞の広告で「賃貸用物件のカタログ一括送付」のサービスを見つけ、軽い気持ちで応募したことが始まりでした。その後、実際にハウスメーカー3社と面談した実体験をお伝えします。建替を検討している方は建替前の情報収集の考え方もあわせてご覧ください。
応募からカタログ送付・営業連絡まで
メールアドレス・住所・電話番号を入力して送信。応募した結果は以下の通りでした。
- カタログを送付してくれた会社:4社
- 営業電話があった会社:3社
電話があった際には、最初に自分の状況を正直に伝えました。
- 家族信託を組んだ上で相続が発生している
- 築古アパートの将来的な方針を検討している段階
- 今すぐ動けるわけではない
この状況を了承してもらった上で、面談を進めることにしました。
面談で渡した情報
ハウスメーカーに提供した情報は以下の通りです。
- 家族信託の状況
- 物件情報(所在地・構造・築年数)
- レントロール(現在の入居状況・家賃収入)
- 借入状況
物件所在地の立地が良かったこともあり、3社とも前向きな姿勢で対応してくれました。
各社の対応内容
| 対応内容 | 社数 |
|---|---|
| 内覧会への招待 | 3社 |
| 現地調査・概略プランの作成 | 2社 |
| 完全無料での対応 | 1社 |
| 調査費のみ5万円支払い | 1社 |
実際にお金がかかったのは1社の調査費5万円のみで、それ以外は無償で対応してもらえました。
ハウスメーカー2社の提案内容——ターゲット層が明確になった
現地調査・プランを作成してくれた2社の提案は、どちらもラグジュアリー寄りのファミリー向けの間取りでした。戸建・テラスハウス・アパートなど形態は異なりましたが、ターゲット層の方向性は一致していました。
「このエリアで賃貸需要があるのはこういう層だ」という答えが、2社の提案から自然と浮かび上がってきた形です。
この方針については、現在管理委託をお願いしている不動産会社にも確認したところ完全同意・センス良しとのことでした。管理のプロから見ても納得感のある方向性であることが確認でき、安心感がありました。
相談で判明した想定外の事実
想定外①:現行法令では同規模での建替が不可能
これが最大のショックでした。築古アパートを建築した当時と現在では条例が変わっており、現行のままでの建替は不可能であることが判明しました。
現行法令では、一部のスペースを必ず確保しなければならない条件があり、建築可能な面積が減ることになります。その結果、規模を縮小するか、隣接する別物件と合わせて面積を確保する必要があります。
建替のリスクが当初の想定より大きいことがわかり、現状維持も視野に入れるようになった理由のひとつです。
想定外②:利回りが大きく低下している
ハウスメーカーで新築した場合の表面利回りの試算は3〜7%程度でした(土地価格考慮なし・解体費・外構費込みの総工費による概算)。
祖父が戸建てを新築した当時の収支と比べると、建築費の高騰を肌で感じました。
建築費の現実
| 項目 | 現状 |
|---|---|
| 坪単価の目安 | 110〜130万円程度 |
| 大規模プランの総額 | 1〜2億円 |
| 必要な自己資金の目安 | 1〜2割(1,000〜4,000万円) |
| 表面利回りの目安 | 3〜7% |
建築費は今後も下がらないという認識も持ちました。リーマンショックの際にも建築費(資材費+人件費)は下がっていませんでした。ハウスメーカーの利益がどれだけ圧縮されても、建材と人件費が下がらない限り建築費は下がりません。現在のインフレ環境ではなおのことです。「安くなるまで待つ」という戦略は機能しないと認識しています。
相談全体を通じての感想
ハウスメーカーの印象は良かった
「今すぐではない」という状況でも、将来の案件になり得ると判断すれば協力的に対応してくれました。各社とも印象は良く、情報収集としては十分に価値がありました。
大手ハウスメーカーはやはり高額
坪単価110〜130万円という水準は正直高いと感じました。建築費を抑えるためには、地元の良い工務店への直接依頼も今後の選択肢として検討しています。ただし建設業界は倒産リスクも高く、その点のリスク管理は必要です。大手ハウスメーカーとの付き合い方については別記事でも触れています。
「20年メンテナンスフリー」は眉唾
一部のハウスメーカーが謳っている「20年メンテナンスフリー」という仕様については、個人的にはまだ半信半疑です。もう少し自分で勉強が必要な分野だと感じています。
まとめ
① ターゲット層と間取りの方針が明確になった
2社の提案がラグジュアリー寄りのファミリー向けで一致し、管理会社からも同意を得られました。
② 現行法令の確認は必須
築古物件の建替では、現行法令で同規模の建替ができないケースがあります。まず法令確認から始めることが重要です。
③ 利回りの現実を直視する
建築費の高騰により、表面利回り3〜7%という現実があります。事業として成立するかどうかを冷静に判断する必要があります。
④ 自己資金の目標を早めに設定する
必要な頭金の目安が把握できれば、逆算して毎年の貯蓄目標が設定できます。地道にコツコツと積み上げていく方針です。
⑤ 大手ハウスメーカーだけでなく工務店も検討する
コスト面での差は大きいため、地元の信頼できる工務店への相談も並行して進める予定です。
※ この記事は実体験をもとにした情報提供を目的としています。建替の判断は、建築士・税理士などの専門家へのご相談をおすすめします。

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