借り換えを検討したものの、現行ローンの条件が最良という結論になりました。しかし「このまま金利を払い続けるのが本当に最善か」という問いが残りました。そこで浮上したのが、一括返済という選択肢です。
この記事でわかること
- アパートローンの一括返済を決断した経緯と家族内の資金調達の仕組み
- 一括返済の具体的な手続きの流れ
- 抵当権抹消登記を自分でやって6万円節約した話
- 一括返済のメリット・デメリットを正直に整理
一括返済を検討したきっかけ
借り換え検討の過程で、改めてローン全体を俯瞰しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 借入総額 | 約3,000万円(2件分) |
| 残存返済期間 | 約20年 |
| 20年間の金利総額 | 約600万円 |
| 今後の金利動向 | 上昇傾向(さらに増える可能性) |
一方、父が4,000万円以上の現預金を保有していることがわかっていました。もともと資産運用には関心がなく、今後も運用する意向はないとのことでした。
「このまま現金を寝かせてインフレで価値が目減りするくらいなら、ローンを返してしまった方が合理的ではないか」——この考えを家族全体で共有したところ、全員が快諾。一括返済を決断しました。
家族内の資金調達の仕組み
父が全員分の借入金を肩代わりする形で一括返済を行いました。ただし「もらう」のではなく「借りる」という形を明確にしました。(場合によっては家族間の贈与と見なされて贈与税の指摘がありえます)
父への返済スキーム
- 母・私・妹がそれぞれ750万円ずつ父に借金(無利息)
- 各物件からの収益を原資として毎年50万円ずつ返済(4月末までに一括支払い)
- 返済期間:15年
- 収益が不足した場合は自身で補填する義務あり
- 以上の内容を契約書として作成・共有
親族間の金銭貸借であっても、口約束ではなく契約書に落とし込むことが重要です。税務上の観点からも、贈与と見なされないためにきちんと記録を残しておく必要があります。
一括返済の手続きの流れ
① 金融機関への連絡
ローンを借りている金融機関に「一括返済したい」旨を連絡しました。
② 最終引き落とし日の確定
翌々月5日の引き落とし日を最終引き落とし日として確定しました。
③ 書類・振込用紙の受領
金融機関から以下が送付されてきました。
- 一括返済申込書
- 振込用紙(残債元本+費用の内訳計算書)
一括返済時にかかった費用
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 違約金(残債の2%) | 約60万円(2件分) |
| 一括返済手数料 | 7.7万円→0万円(相続のため) |
| 合計 | 約60万円 |
④ 申込書の返送・振込
送られてきた申込書にサインして返送。振込用紙を持って銀行窓口で各約1,500万円を支払いました。
⑤ 書類の受領
最終引き落とし日が過ぎてから、金融機関より登記済証・登記識別情報などの書類が送付されてきました。
⑥ 抵当権抹消手続き
ローン完済後は、物件に設定されていた抵当権を抹消する手続きが必要です。
司法書士に依頼することもできますが、今回は後学のために自分で手続きを行いました。結果として約6万円のコスト削減になりました。
抵当権抹消登記は、法務局のホームページに手順が公開されており、書類さえ揃えれば手続き自体はそれほど難しくありません。時間に余裕がある方は挑戦してみる価値があります。
一括返済のメリットとデメリット
メリット① 20年分の金利約600万円が節約できる
今後さらに金利が上昇した場合、節約額はそれ以上になります。
メリット② 金利動向を気にしなくてよくなった
金利上昇リスクへの備えとして確保していた余剰資金が不要になりました。また、金利動向を常に気にするという脳のリソースも解放されました。資金面でも精神面でも、経営がシンプルになりました。
デメリット① 手元現金が大幅に減る
現金は不動産経営において最大の安全弁です。一括返済によって手元資金が減ることは、本来はリスクが高い選択です。
デメリット② インフレ環境では借入を維持する方が合理的な面もある
インフレが続く環境では、借入金の実質的な価値は時間とともに目減りします。つまり「借り続けた方が得」という側面もあります。
今回一括返済に踏み切れたのは、父が資産運用をしない方針であり、現金を活用する先として最も合理的と判断できたからです。同じ状況でない方には安易にはおすすめできません。
まとめ
一括返済は万人におすすめできる選択ではありません。しかし我が家の場合は、以下の条件が重なったことで合理的な判断になりました。
- 運用するつもりのない現金がにあった(返済後も十分な現金が残る)
- 現行ローンの金利条件が優秀で借り換えメリットがなかった
- 家族全員から賛同を得られた
アパートローンの一括返済を検討している方へのアドバイスを3つお伝えします。
① 違約金・手数料を含めたトータルコストで判断する
金利の節約額と違約金・手数料のバランスを必ず計算してください。
② 返済後も生活・事業を行うのに潤沢な現金が残るかを確認する
一括返済後も修繕費や突発的な支出に対応できる現金が手元に残るかを確認することが必須です。
③ 抵当権抹消は自分でできる
時間と意欲があれば、抵当権抹消登記は自分で対応できます。書類を読み込むのは少し大変ですが、数万円のコスト削減になります。
※ この記事は実体験をもとにした情報提供を目的としています。アパートローンの一括返済の判断は、税理士・ファイナンシャルプランナーなどの専門家へのご相談をおすすめします。


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