祖父から不動産賃貸業のレクチャーを受けた後、私はしばらくの間、勉強をほとんどしていませんでした。正直なところ、不動産事業をまだ「自分ごと」として捉えられていなかったのだと思います。今となっては大いに反省しています。
勉強を再開するきっかけは、祖父の体調不良でしたが、その勉強方法でも学びがありましたので記事にして共有します。
この記事でわかること
- 相続を前に焦って勉強を始めた経緯
- ネット・書籍・セミナー・YouTubeを試してわかったこと
- 危うく騙されかけたセミナー参加の実体験
- 相続実務を担う人に本当に役立つ勉強法
1. 勉強のきっかけ——祖父の突然の体調悪化で焦る
ある時、祖父が重篤な体調不良に陥りました。結果的には復調しましたが、当時はそのまま亡くなるかもになるかもしれないと思うほどの重症でした。
そのとき初めて、「気軽に相談できる相手がいなくなる」という現実が目の前に迫ってきました。実務のポイントがわからない。何かあったときに誰に聞けばいいのかもわからない。焦りと不安が一気に押し寄せてきました。
当時はまだ管理委託も行っておらず、信頼できる業者との関係もなかったため、気軽に聞ける相手がいない状況でした。
2. まずはネットで情報収集——情報が多すぎて正解がわからない
最初に取り組んだのはネットでの情報収集です。不動産関連の情報は膨大にあり、さまざまな発信に触れました。
しかし、情報が多すぎて「正解がどれかわからない」という状態に陥りました。発信者によって言っていることが真逆だったり、特定のサービスや商品への誘導が含まれていたりと、情報の取捨選択自体が難しい状況でした。
3. 書籍を2冊読んでみた
次に本を読むことにしました。Amazonで適当に選んで購入した2冊です。
- 『まずはアパート一棟買いなさい』
- 『初心者から経験者まですべての段階で差がつく!不動産投資 最強の教科書』
どちらも情報量が豊富な良書だと思います。ただ読み進めて気づいたのは、どちらも「不動産投資」の色味が強いということです。物件を購入して収益を上げるという視点で書かれており、相続した不動産の実務を担う立場の人向けではありませんでした。
参考にはなりましたが、自分が直面している課題の答えは見つけられませんでした。
4. 無料セミナーへの参加——最も危険な状況だった
建○屋やFaceb○○kなどで案内されていた無料セミナーにも複数参加しました。
今振り返ると、これが人生で最も危険な状況だったと断言できます。
参加したセミナーの中には、合法とはいえ実態はほぼ詐欺に近いようなワンルームマンション販売会社や、火災保険の代理申請(おそらく不正)を行っている業者のセミナーも混じっていました。
「無料で学べる」という入口から始まり、気づけば高額な商品・サービスへの契約を迫られる構造です。もし私がもう少し積極的な気質で、話の勢いに乗りやすい性格だったなら、その時点で数百万円規模の損失を被っていてもおかしくありませんでした。
知識のない状態で無料セミナーに参加することは、カモネギ状態といっても過言ではありません。同じ状況の方には、強くご注意をお伝えしたいです。
5. 結局、一番マシだった勉強法——個人系YouTubeチャンネル
さまざまな方法を試した結果、最も役に立ったのは個人に近い発信者のYouTubeチャンネルでした。
法人や企業の発信は商品・サービスへの誘導が前提になりがちですが、個人の発信者は自分の実体験をベースにしているケースが多く、情報の質が高いものがあります。もちろん玉石混交であることは変わらないため、常に疑念を持ちながら見ることが前提です。
6. 勉強を通じて気づいたこと
さまざまな方法で勉強してみてわかったことがあります。
情報の真偽を見極めるには、基礎知識が必要ということです。
何も知らない状態では、正しい情報と誤った情報の区別がつきません。基礎知識があってはじめて「この情報はおかしい」「これは自分の状況に当てはまらない」という判断ができます。
そのため勉強の順序としては、まず書籍などで基礎を固めた上で、ネット・YouTube・セミナーの情報を取捨選択するという流れが理想です。
最後に、実践に勝る勉強はありません。実際に管理業務に関わり、業者と交渉し、身銭を切りながらトラブルに対応する中でしか身につかない知識があります。
家族信託の運用を通じた実務経験についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。
まとめ
| 勉強方法 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| ネット検索 | △ | 情報過多で正解がわかりにくい |
| 書籍 | ○ | 基礎知識の習得には有効。ただし投資目線が強い |
| 無料セミナー | ✕ | 悪質業者が混在。初心者は特に注意 |
| 個人系YouTube | ○ | 実体験ベースの発信は参考になる |
| 実践 | ◎ | 最終的にはこれが一番の学び |
相続によって不動産実務を担うことになった方への率直なアドバイスをまとめます。
① 無料セミナーには安易に参加しない
知識のない状態での参加は非常に危険です。最低限の基礎知識を身につけてから参加を検討してください。(むしろ知識を得てからも参加しなくて良い)
② 投資目線の情報は割り引いて読む
不動産関連の情報の多くは「投資家向け」です。相続実務を担う立場とは目線が異なることを意識してください。
③ 実践と信頼できる専門家が最大の武器
管理会社・税理士・司法書士など、信頼できる専門家との関係を早めに構築することが、知識を補う最短ルートです。
※ この記事は実体験をもとにした情報提供を目的としています。不動産の学習方法や業者の選定については、ご自身の状況に合わせて慎重にご判断ください。


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